Mr.childrenを聴くという事 【12/16 マリンメッセ公演 感想 セトリ】

感動した。
Mr.chilrenのライブに行った。普通に感動した。当然か。10歳の時からずーっと好きだったアーティストの初めてのライブだ。感動しないわけがない。泣かなかった。けど、所々で涙目になる場面はあった。そうもんだろう。

本来であれば「ミスタルのライブ良かった!」で済む話。しかし、そんなものはTwitterで充分だ。褒め称えるだけなら140字で事足りる。わざわざこうやってブログなるものを書いているのだ。褒めるだけでやっているわけではない。そもそも、褒めてばっかりの人間の意見なんかクソ同然だ。喋らないほうがいい。好きと言う感情は嫌いという感情があって初めて生まれるものだ。感情とはそういうものだと思っている。

話が逸れていく。言いたいことはそうじゃない。今回初めてミスチルのライブに参加して、自分の中で色々と考える部分があった。それを多少なりともまとめて書ければいいと思った。

参加者の多くは大人だった。学生の比率は少なかったと思う。男女比は…多分、ちょっと女性が多かった気がした。改めてこのバンドが昔からの根強いファンに支えられているのだと認識した。

常日頃から社会を支える。真面目な人達。そういった人の心の拠り所であったのがMr.childrenだ。

みんなで一斉にサビで手を挙げる。自分はこういった一連の集団行動が嫌いだ。嫌いというより苦手だ。なんというか一種の宗教染みた怖さを感じるからかもしれないし、単に行き過ぎた自意識とプライドが邪魔してるからかもしれない。納得がいってなかったのだ。しかし、このライブでは手を挙げてしまった。そこに抵抗はあんまりなかったと思う。むしろ楽しかった。大いに楽しんだ自分がいた。

最近、色んな情報が行き来する。音楽というものの向き合い方に関して非常に捻くれた感情を持っていた。そんな自分に嫌気が差した。恥ずかしく思った。

しかし、まぁこういったスタンディング至上主義のようなものに対しての嫌悪感は拭えたわけじゃない。いつか深く掘り下げて書きたいと思う。しかし、ことミスチルに関してはそういった感情はなかった。少なくとも。

そういえば内容の話を全然していなかった。セトリ順に感想を述べても味気ないが、他に方法もないので一応曲順に書いていく。

1.SINGLES
面食らった。好きな曲だが、これが初っ端に来るとは。Aメロカッコいいよね。
2.Monster
これやんのかよ。案外盛り上がった。
3.himawari
代表曲ですね。ギターソロがたまんねえ。
4.幻聴
うん、まぁ好き。
5.HANABI
名刺代わりですね完全に。
6.NOT FOUND
最高だった。
7.忘れ得ぬ人
トイレに行きたくなってきてしまった。
8.花 -Memonto-mori-
演出が凝ってた。これは本当にカッコ良かった。曲も好き。
9.addiction
最初はなんだこれって曲だったけど、ライブで聴くと化けるね。
10.Dance Dance Dance
超楽しい。なんだこれ。
11.ハル
なんでこれやったのかちょっとわかんない。トイレに行きました。
12.and I love you
うーん、特にライブで聴く感動はなかったかも。
13.しるし
極上のバラード。クドイ曲だと思う。けど、感情は揺さぶられてしまった。
14.海にて、心は裸になりたがる
サビ最後の「おーおーおー!」の回数が分かんなくて戸惑ってしまった。もっとちゃんと聴いとけば良かったのか?
15.擬態
あー、まあうん。
16.Worlds end
大好き。イントロで「うお、まじか」と声が漏れた。これやるのは反則だな。
17.皮膚呼吸
直前のMCが感動した。というのも斜め前のおじさんが泣いていたので、それに感動してしまった。
18.here comes my love
ここからアンコール。曲が最高なので当然最高。
19.風と星とメビウスの輪
予想外。ラスサビ「愛されて優しくなれて〜」の歌詞が生で聴くと、より響いた。
20.秋がくれた切符
良い曲だと思う。やりたいようにこういう曲をもっと作ってほしいね。
21.Your song
うん、まぁくるよね。曲自体は微妙なんだけど、そこに込められたメッセージ性とか含めて感動した。


面白くない。こんな感想あるか。自分で書いていて何を書いているのだろうと思った。こんなん書く必要あったのか。ライブの感想というのはいつも困る。もっとやり方を考えなきゃダメだ。


長くなったが、ここからが本題。

最近、自分の同世代の多くはミスチルを正しく認知できていないと感じる。かく言う自分も、きっと認知できてない部分もあるのだろう。

世間にとって、ミスチルとは「タイアップの鬼」だ。普通に暮らしていれば、嫌でも聴く事になる。映画主題歌、ドラマ主題歌、CM曲。必ずミスチルはメディアの何処かに存在している。

そんなバンドを世間はどう認知しているのだろう。はっきり言うと、自分の周り。つまり20歳前後の人間はミスチルをダサいと感じている。

タイアップの多さからか、世間への露出数も多い。そこからダサいという印象に繋がってるのだろうか。少なくとも、アングラ感を好む hip-hop勢やインディーズバンド勢はダサいという印象を持っているはずだ。

これもいつか掘り下げて書きたい事項だが、ダサいというのは決して負の感情ではない。ダサいとは言い換えれば親しみやすいとも言えると思う。

自分はいつも世間に対して「常にカッコいい音楽を求めている」という前提があると思い込んでいた。でも、実際そうではないんだと思う。

世間は決してカッコいいものを求めているとは限らないし、ダサいものを拒絶するとも限らない。そうじゃないとDA PUMPのUSAやAKB48が流行ることはなかったと思う。

親しみやすければ、みんなに広まる。みんなが知っているというのはある意味世間を生きていく中で重要なのだ。

他人と共通の話題を持つ事は案外難しい。趣味なんて大抵合わない。そういったときに多少の架け橋になるのがそういったダサいコンテンツなのだと思う。

そして世間にとってはミスチルはそれに当たるんだと思う。親しみやすくて、みんなが知っている。カラオケでも無難に歌える。

しかし、それはミスチルの真の姿ではない。
ミスチルとは阿修羅だ。幾多もの顔を持つ。ポップでありロックであり明るくて暗い。

でもそれこそが人間なのだと思う。

みんな明るい部分もあるし、暗い部分もある。雑に生きることもあるし、丁寧に他人に接する事もある。そういった多面性。普遍性。それこそがミスチルだと自分は思う。

だから「GIFT」や「くるみ」といった代表曲しか知らない人はミスチルを正しく認知できていない。損してる、とまでもは言わない。自分もいくつかの偏見を元に間違った認知をしているコンテンツなんて腐る程ある。

ただ知ってほしいだけなのだ。Mr.childrenというバンドを。

スケールの大きい事を言うとシラケるが、ミスチルほど人生を体現したバンドは存在しない。自分にとってはそうだ。確信を持って言える。

ライブに集まった人達はとても良い人そうな人ばかりだった。確証バイアスに侵された意見である事は否定しない。だが、真面目に生きてきた人間の闇というのは案外深い。それを受け止める度量がこのバンドにはある。


今回のツアーでも披露された曲。Worlds endにこんな歌詞がある。


「飲み込んで吐き出すだけの単純作業繰り返す
自動販売機みたいにこの街にボーッと突っ立って
そこにある事で誰かが特別喜ぶでもない
でも僕が放つ灯で君の足元を照らしてみせるよ」


泣いてしまった。冒頭で泣かなかった、と言ったがあれ嘘。心は号泣。そして、1万人の観客を前にしてこれを歌い上げる桜井和寿に驚嘆した。

自分は今、19歳。10年後、20年後。違った意味を持ってくると思う。そうなる前に自分の考えを記録しておく事は大事だと思う。

3000字を超えた。文章というのは難しい。伝えたい事の半分も書けない。でもニュアンスが伝わってくれたら嬉しい。


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以上です。