本当にHelsinki Lambda Clubを聴かずに死ねるのか?

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2018年が終わってしまった。

思えば音楽を追い始めたのは2018年からだし、そういう意味では色々あった年だな〜〜と。

こうやってブログなるものを始めたのはごく最近の話。2019年はもっと本格的にやりたい。そして、学ぶべき事ももっと多くなってくるだろうな。あ、あけましておめでとうございます。

新年1発目。元日から元気に部屋に引きこもってる次第ですが、ここに紹介したいバンドが1つ。今日はその話。

 

最近、音楽の良さって何だろうか、と度々考える。

自分にとって、個人的に、音楽の良さは曲の良さだ。当然の事かも知れないけど、これが当然じゃなかったりする。だってさ、2018年1番聴かれたアーティストが韓国のBTSで、レコード大賞乃木坂46だぜ?別に良いんだけどさ、俺なんか捻くれた奴は「あんなの音楽と呼んでいいのかよ」と思っちゃうわけなんです。画面の中の白石麻衣は泣いてるように見えたけど、俺も泣いてたよ。色んな意味でな。

この国が音楽を音楽として捉えられないのはもう仕方ないのかもしれないけど、それでもちゃんとバンドやってて作る曲がマジでヤベエってバンドに売れてほしいし、売れた根拠も曲のヤバさであってほしいと思う。

 

そういうヤベエ曲作ってるバンドがあるんすよ。

 

Helsinki Lambda Clubっていうんですけど。ヘルシンキラムダクラブって読みます。


Helsinki Lambda Club − 目と目 (official video)

 

「うっわ、このバンドやべえよ…」と深夜に新しいバンド見つけて小躍りなんかしてるわけですが、そういうバンドに共通してるところは3つくらいあって。メロディがやたら良いボーカルの声が心地良い歌詞が軽くない。この3つの内、2つ満たせば「あぁ、良いバンドだなぁ」って思うわけですが、3つ全部満たされちゃう日には「あァァァァァァァァンンンン??なんでこれ売れてないノォ??」って半ばキレ気味にiPhoneをベッドに放り投げてます。

「目と目」を聴いた時、そうなったよ。「うわ、マジか」って素で声が漏れた。本当に良い。2018年色んな曲聴いたけど、トップ3には入る曲だってこれ。曲自体は2018年に出たわけじゃないけど。正直言って「目と目」聴いて、心動かない人には話なんてないよ。もうお前なんか知らん。出ていけ。バイト先のたいして仲良くない先輩とホームパーティでもしてろやクソ。

おっと、話が逸れた。

今日は素晴らしいバンド「Helsinki Lambda Club」を、挙げた3要素に当てはめながら、じっくり掘り下げたい。

 

・メロディがやたら良い

やたら良い。そう、やたら良い。ヘルシンキ最大の魅力。このバンドは歌を中心としてるんだけど、この歌メロが本当に素晴らしい。

中毒性がある。なんてよく耳にする文句だったりするわけです。でもな、そんなのヘルシンキの前じゃあ通用しねえよ。中毒性じゃあ済まされねえよ旦那。マジで。どの曲にも思わず口ずさんじゃうようなメロディをぶち込んでくる。気付けば歌ってる。そんな病に侵される。毒。そう、猛毒です。

でも曲を聴く上でこんな大切なことはないですよ。「朝聴いたあの曲がずっと頭の中でグルグルグルグルグルグル」そんな曲ばっか。ヘルシンキ。もう全部それ。俺なんか夢の中でも歌ってたからな。ヘルシンキの曲。勘弁してくれホント。

あと、しつこくないんですよね。ヘルシンキのメロディ。しつこくない。

例え話をすると、DA PUMPの「U.S.A.」のサビってしつこいですよね。しつこいって繰り返しが多くて鬱陶しいって意味じゃなくて、なんて言うんでしょう。胃もたれするって言うの?なんか脂っこい。ギットギト。

だからこそ、口ずさめる。しつこいから覚えやすい。そういう側面もあって。飽きやすい曲は覚えやすい。もうそこはコインの裏表みたいな話だなーなんて。

でもね、ヘルシンキにはその概念通用しない。頭に残るのに明日も明後日もずっと聴いてしまう。メロディの次元を平気で超える。時空を曲げる。コインの表の裏は表。何言ってんだオイ。


Helsinki Lambda Club – PIZZASHAKE(Official Video)

この「PIZZASHAKE」っ曲。まさにヘルシンキって曲で。本当にメロディが良い。徹頭徹尾良い。

是非聴いてくれ。頼む。マジ頼む。

あと1つ言っておきたい事があって。ヘルシンキの曲の中には最後の最後に1番ヤバイ殺人メロディーを仕込んでくる事がある。Cメロがサビより良いパターン。普通にある。だから最後まで聴かないと良さが分からないこともある。是非、最後まで味わってほしい。

 

・ボーカルの声が心地良い

危うい声ってあるじゃないですか。ほら、椎名林檎とか。細い糸が千切れそうな声。なんというか、聴いてるこっちがドキドキする声。ヘルシンキのボーカル橋本薫にもそんな側面がある。ヘルシンキの持つどことなく曲全体を覆う切なさはそういった橋本薫の危うい声が生み出しているのではないか。そんな気もする。

むちゃくちゃ歌が上手いわけじゃないし、独特な声質かと言われればそうじゃないと思うんだけど、それでも何故か魅力を感じてしまう。

謎めいた感じもするんですよね。ホント不思議な声です。

 

・歌詞が軽くない

軽くない。そう、軽くない。逆に軽い歌詞ってなんでしょうね。でもね「あ〜〜この歌詞の言いたいことわかるけどなんて言えば良いか分からない〜〜」みたいなのがヤバ歌詞に対する正しいアクションだと思うんですよ。

だって、なんて言えば良いか分からない感情ってメロディという手助けをしてもらって、歌にして、初めてなんとか形にできるようなもんでしょう。

俺はそういった心の機微を感じられる歌詞が好き。

そこで「lipstick」という曲の歌詞を紹介します。

目配せして 帰った道 祭りの後 国道沿い

湿った指 草の匂い 今になって 蘇って

切れたボタンは ほっといて 語った夢 忘れたフリ

言葉の意味 隠した嘘 夜が近い

このCメロ。最高すぎる。切なすぎて死人でるんじゃないのか。いい加減にしてくれ。

「lipstick」という曲はうまくいかないカップルの話なんだけど、この歌詞はズルい。あまり具体性はないんだけど、どういうシーンなのかが詳細に浮かび上がる。

そしてCメロの後、サビがあるんだけど

髪を切っていたんだな 気付いていなかったな

というフレーズで終わる。もはやこの一節だけでカップルがどんな状況にあるのかさえ分かってしまう。分かってしまうんだよ。

もうヘルシンキの歌詞が好きすぎるのでいくつか紹介させていただく。

「彷徨いSummer Ends」

あのベンチはもう無い

いつかの君と目が合った

「Jokebox」

握った手以外忘れて

戻れなくなるから

「目と目」

あぁ いつも思ってもない事なら簡単に言えたのになあ

あぁ いつも悪い予感なら簡単に信じたのになあ

あぁ いつも思ってもない事なら簡単に言えたのになあ

笑った顔がよく似合う ただそれだけを伝えられたらなあ

良すぎる。良すぎるな。もう別に俺がグダグダいう必要性も感じない。

 

本当に最高なバンドだ。最高なんだけど、これほどまでに世間に浸透してないのは何か理由があるんじゃないか?という考えも浮かんだ。

考えられる事としては1つ。MVがヒドイ。


Helsinki Lambda Club − Skin (official video)

普段からYouTubeで音楽を漁ってる人にとっては、このMVはなかなかにキツイ。本人達の意図は分からないけど、これじゃあサムネだけで聴かれてない可能性も往々にしてあるよな。とか思う。曲は本当に素晴らしいのにね。「Skin」も名曲だよ。

やはり、このバンド。時代性を無視しすぎている。それが良さなんだけどね、無視していないとあんな曲作れない。そう、そう分かっているんだけども、やはり時代に合わせなきゃ売れない部分もあると思う。再生される事に重きを置けば、MVがもしかしたら肝心の曲よりも重要かもしれないこんなご時世だ。MVぐらいテキトーでいいからちゃんと作ってくれ。言ってる事めちゃくちゃだな俺。

でも最近は割としっかりしてきた。良い意味で普通になってきた。別にMVなんてどうでも良いからさ、ちゃんと時代に合わせて、無視するとこは無視して、エグい曲作っていってほしい。そう思うよホントに。

本当に良い曲作るバンドなんですよ。多分、刺さらない人には刺さらない。けど刺さる人には強烈に刺さる。そんなバンドだと思うんです。だから、その出会いを見逃してほしくない。そんな気持ちがあります。そういった動機で書いてます。はい、書いてます。

また、こうやってちゃんとスゴイ曲を作ってくれるバンドを残していく為にも声を上げていく必要がある。ブログやってんのもそういう側面あるし。好きなものがある人はちゃんと好きと言わなきゃダメだと思う。たとえ、何かを貶す事になっても。

 

最新アルバムの「引っ越し」という曲。

最後にこれでも聴いて、Helsinki Lambda Clubの紹介を終わりにしたい。


Helsinki Lambda Club – 引っ越し(Official Video)